●NH3-CO2二次ループシステム



庫内温度ー50℃達成!!

NH3-CO2二次ループシステム

概要 Summary

自然冷媒であるアンモニアと炭酸ガスを組み合わせた冷凍システムです。
弊社が世界に先駆けて開発し(海外特許5カ国取得済)、平成15年に実用1号機(鰻の凍結システム)を納入しました。
その後大手冷凍食品メーカーに採用いただき、現在では国内大手冷凍機メーカーも積極的に採用していただいております。

本システムは1次側冷媒のアンモニアで炭酸ガスを冷却液化して、液化した炭酸ガスを負荷側(冷却先)に送ります。
アンモニアは機械室内又はユニット内のみに閉じ込める為、安全性が高くなっています。





炭酸ガスは、圧縮工程を必要としない為油が混在せず、油混入による冷却器の伝熱性能低下がありません。 炭酸ガスは、自然循環又は小容量の液ポンプ等で循環する為、ブライン式に見られる大容量ブラインポンプによる熱負荷の増大、ポンプ動力の増大の弊害がありません。 炭酸ガスは、ガス比重が大きい為、冷媒直膨式にくらべて配管を大きくサイズダウンできます。 炭酸ガスの冷却(カスケードコンデンサ)は、アンモニア満液式を採用し、二次冷媒式に見られる効率低下を最小限に抑えました。 凝縮器は、蒸発式凝縮器を採用、又冷却器はCO2専用高効率冷却器を開発しました。 その他種々の改良によりフロン系直接膨張冷却方式に比べて30~50%の省エネを可能にしました。


特徴 characteristics

自然系冷媒を使用している
ランニングコストが安い
配管サイズが小さい
油による冷却器の性能低下がない
全自動運転が可能である
デフロスト回数が少ない




【 なぜ、自然冷媒を使用したのか? 】
1960 年代、南極観測隊によって南極上空のオゾン層の希薄な部分が存在しているのが発 見され、オゾンホールと名付けられました。
それが年々拡大することが確認され、原因が主として塩素によるオゾンの分解であり、塩素の発生量の大部分が地上で人類が放出するフロンであることが明らかになりました。
その為、CFC及びHCFCの代替冷媒として、塩素を含まないフロンであるHFCが開発され、それを使った冷凍機も実用化されて来ました。
しかし、HFCは温室効果ガスとして地球温暖化に影響を与えていることが判明し、フ ロン類による地球温暖化への影響度は年々大きくなってきています。
冷凍業界に関わる私達も当然地球環境を守る責任があり、真剣に対策をとる必要があります。
そこでオゾン層も破壊せず、地球温暖化にもほとんど関与しない冷媒として炭化水素類、アンモニア、二酸化炭素、水、空気等の自然冷媒が再検討されるようになりました。

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平成17年10月26日 空調タイムス